思い出すことなど、など(第15話)

第15話:

 今日は、私の奥さんとの出会いを話してみます。
 当時、私は大学院の修士の時で、彼女は大学四年生でした。以前、J大学の「西洋研」主催のギリシア旅行の話をしましたが、彼女はその「西洋研」のメンバーでした。
 彼女と出会ったきっかけは、白馬での「西洋研」の夏合宿でした。いつものように、I君に誘われるままに、図々しくも、その夏合宿に参加させて頂きました。その時、彼女は卒論の準備として「クレイステネスの改革」を発表しました。
 今となっては、正直、内容はまったく覚えていませんが(笑い)、問題はたまたまその夜の飲み会で、彼女と隣の席になりました。
当時、かぐや姫の「神田川」が流行っていて、フォークの話で結構盛り上がったような気がします(笑い)。

 その後、東京に帰ってからは会うこともなく、動きがあったのは(笑い)、彼女が卒業・就職して1年ぐらいが経った頃です。

 スナックMでいつものようにI君と飲んでいて、ふと「Hさん(旧姓)、どうしているかな」という話になりました。
I君は、その話にぐいぐいと乗ってきて、「彼女に電話をしろ」としきりに勧めます。彼のことですから、「絶対上手くいく」なんて言ったかも知れませんね(笑い)。まあ、そんなわけで、二人で話が盛り上がって、翌日電話をする流れになりました。

 結局、渋谷で会うことになったのですが、当日、待ち合わせ場所にはI君もいましたね(笑い)。どうして彼がそこにいたのか、まったく覚えていないのですが(私が頼んだのか?彼が勝手に付いてきたのか?)。
「いまどき、高校生でもそれはないぞ」とつっこみを入れたくなるところですが(笑い)、初デートはこうして三人で楽しくボーリングをしました。

 まあ、それから四年間ぐらい付き合って結婚することになるのですが、結婚のいきさつなどは、後日、機会があればお話しをすることにします。

 次回は、私がはじめて教職についた(非常勤講師ですが)時の話をしてみます。

*私のお気に入りの「詩」

朝の食事 (Déjeuner du matin

茶碗に
コーヒーをついだ
茶碗のコーヒーに
ミルクを入れた
ミルク・コーヒーに
砂糖を入れた
小さなスプーンで
かきまわした
ミルク・コーヒーを飲んだ
それから茶碗をおいた
私にはなんにも言わなかった
タバコに
火をつけた
けむりで
環(わ)をつくった
灰皿に
灰をおとした
私にはなんにも言わなかった
私の方を見なかった
立ち上がった
帽子をあたまに
かぶった
雨ふりだったから
レインコートを
身につけた
それから雨のなかを
出かけていった
なんにも言わなかった
私の方を見なかった
それから私は
私はあたまをかかえた
それから泣いた。

ープレヴェール『ことば』より
(フランスの国民的詩人。シャンソン「枯れ葉」の作詞家)

*今日のニケ
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