思い出すことなど、など(第18話)

第18話:ギリシアの思い出2

 さて、アテネでの生活のお話の続きです。
 HPの「雑録」で「パングラティ界隈の思い出(エッセイ)」でライキ・アゴラ(大衆市場)のことはすでに触れていますが、再度簡単に話してみます。
 ライキは、週末に「通り」で開かれる野菜・果物の市場です。人は、車付きの大きなカゴ持参で、1週間分の野菜・果物などをキロ単位で買っていきます。いつも、同じ場所に同じ店が並んでいました。また、端には魚屋さんも出ていて、鯵などの小魚を売っていました。
 大体、野菜・果物はここでまとめ買いをして、お肉などはお肉屋さんで、吊された肉やケースの中の大きな肉などから、必要な分だけ切り分けてもらっていました。鶏などは一羽まるごと売っていました。基本、どのお肉も小分けにはしていませんでした。
 お酒はもっぱらワインですが、酒屋さんには、「アポ・ト・ヴァレリ」といって樽詰めのハウスワインが置いてありました。空の酒瓶を持っていって、量り売りで詰めてくれます。これが一番安くて、まあまあおいしくいつもこれを買っていました。

 幸い、プラティア・プラステイア広場の近くに「アポロン」というスーパーマーケットがあリ、日用品はそこで購入していました。
外国語は数詞がやっかいですが、ギリシア語もご多分にもれず、なかなか覚えらず、アラビア数字に助けられました(イスラーム恐るべしです。笑い)。レジなどでの会計の精算など、アラビア数字は本当に便利ですね。小売りのお店などでは口頭での会計ですから、よくわからず初めのうちはスーパーばかり行ってました(笑い)。

 ただし、日曜はスーパーやお店は休日で、最初少し戸惑いました。こちらの感覚では、日曜などは稼ぎ時(笑い)のような気がしますが。やはり、キリスト教の「安息日」の風習でしょうか。

 キリスト教と言えば、ギリシアは「ギリシア正教」というキリスト教の一派ですが、後日、知り合いになった若いギリシア人に「日曜日に教会に行きますか?」と質問をしたところ、肩をすくめて「子供の頃はね」と応えてくれました。確かに、私が知り合った若い人は、日曜日に教会に行っている様子はなかったですね。今は、年配の方は別として、若い人は教会離れでしょうかね。

さて、今日はここまでにします。
次回は、私がお世話になったTHE BRITISH SCHOOL AT ATHENS(BSA)
について、少しお話しします。

※ 私のお気に入りの「詩」

冬が来たら

冬が来たら
冬のことだけ思おう
冬を遠ざけようとしたりしないで

むしろすすんで
冬のたましいにふれ
冬のいのちにふれよう

冬がきたら
冬だけを待つ
深さときびしさと 静けさを知ろう……

ー坂村真民『冬がきたら』より

※ 今日のニケ
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