思い出すことなど、など(第19話)

第19話:ギリシアの思い出3

 今日は、私がお世話になったTHE BRITISH SCHOOL AT ATHENS(BSA)について、少し話してみます。
 BSA(アテネのイギリス考古学研究所)は、リュカベトスの南麓、スウイーダス通りに位置しています。隣にはアメリカの考古学研究所があり、研究生になると図書館などは両方とも自由に使用することができました。また、図書館の他に宿泊施設もありますので、日本からやって来た研究者なども利用していました。
 アテネには、イギリス・アメリカの他にドイツ・フランス・スウェーデンなどの考古学研究所があります。話が少し変わりますが、現在、コロナで中断を余儀なくされていましたが、T大の名誉教授S先生を中心に、アテネに日本の研究所(「古代ギリシア文化研究所」)を立ち上げる計画が進んでいます。研究所が少しでも早く完成することを心より願っています。(「古代ギリシア研究所」のHPのURLを掲載しておきますので、興味のある方はご覧下さい http://www.lit.kobe-u.ac.jp/ancient-greek/index.html

 さて、BSAには図書の他に貴重な「遺跡の平面図」なども揃えられており、遺跡を探索する際には随分利用させて頂きました。有名な遺跡は別として、ほとんどの遺跡はほんのわずかな礎石しか無い場合が多いので、こうした資料は本当に助かりました。

 私の場合大学に所属して研究するわけでもなく、結局、2年間ギリシアでの生活を体験しただけで、恥ずかしながら留学というより遊学といった方が正しいですね。
 しかし、本当に日本では探すのに一苦労な本が、直ぐに見られのは有り難かったですね。(今は、昔と違ってインターネットの普及で、本を探すのも随分便利になっていますけれど)。しかし、あまりにも多くの本に囲まれて、これだけの本のうち、ここにいる間にいったい何冊読めるのだろうかといつも自問していました。(笑い)(以前、日本の研究室で、韓国の留学生がこれと同じ事を言っていましたが、つくづくその気持ちが分かりました)。
 結局、自分がここでできることは(ここでしかできないこと)は、少しでも多くの遺跡を記録に残すことと思い、できるだけ休日などは遺跡巡りの旅にでかけました。
 幸い、ギリシアの2年間の滞在中に、国内以外にもトルコのギリシア都市の遺跡(イオニア地方:エーゲ海沿岸)、南イタリアのギリシア都市の遺跡も訪れることができました。
 ギリシア国内の旅行やトルコ・イタリア旅行については、後日改めてお話しします。
 とりあえず、BSAについては図書館を利用していたぐらいで、それも宝の持ち腐れに終わった感じですね。(笑い)

 それでは、次回は、留学生との交遊などをお話しします。

※私のお気に入りの言葉。

最大の悲劇は、悪人の暴力ではなく、
善人の沈黙である。
沈黙は、暴力の蔭に隠れた同罪者である。

ーマーティン・ルーサー・キング・ジュニア

※今日のニケ

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